アパレルOEMとは?
アパレルOEMとは、自社ブランドのアパレル製品の製造を、外部工場に委託することです。
デザインや企画は自社で行い、生産のみを任せる方式を指します。
初心者でもオリジナルブランドを持つための第一歩となる、この仕組みについて詳しく見ていきましょう。

OEMとODMの違い
アパレル製品の生産を外部に委託する際、「OEM」と「ODM」という二つの方式があります。
これらは似ているようで、委託者(ブランド側)と受託者(工場側)の役割分担が大きく異なります。
どちらの方式を選ぶかによって、ブランド側の関与度合いや製品開発の進め方が変わってくるため、その違いを正確に理解しておくことが重要です。
特に初心者の方は、自社の状況や目指すブランド像に合わせて最適な方式を選ぶために、両者の特徴を把握しておきましょう。
以下に、OEMとODMの主な違いを比較表にまとめました。
| 項目 | OEM | ODM |
|---|---|---|
| 企画・設計 | 委託者(ブランド側)が行う | 受託者(工場側)が行う |
| 製造 | 受託者(工場側)が行う | 受託者(工場側)が行う |
| デザイン主導権 | 委託者(ブランド側)にある | 受託者(工場側)にある |
| 必要スキル | 委託者に企画・デザイン力が必要 | 委託者に企画・デザイン力が必須でない |
表を見ておわかり通り、最大のポイントは「製品の企画・設計をどちらが行うか」という点です。
この違いから、それぞれのメリット・デメリットは以下の通りになります。
| 項目 | OEM | ODM |
|---|---|---|
| メリット | ・ブランドの独自性を強く出せる ・デザインコンセプトを忠実に反映できる | ・企画開発の負担が少ない ・商品化までのスピードが速い ・工場の開発力を活用できる |
| デメリット | ・ブランド側に企画開発の負担が大きい ・商品化までに時間がかかる傾向がある | ・デザインの独自性を出しにくい ・他社ブランドと商品が似る可能性がある |
OEMは、ブランド側が「こんな商品を作りたい」という具体的なデザインや仕様を決め、工場はその指示通りに製造のみを行います。
そのため、ブランド独自のアイデアや世界観を製品にしっかりと反映させたい場合に適しています。
デザインの主導権は、完全にブランド側にあります。
ODMは、工場側が市場のトレンドなどを踏まえて製品の企画・デザインを行い、ブランド側はそのデザインを選んで自社ブランドとして販売します。
企画開発の手間が省けるため、アパレル業界の経験が浅い場合や、スピーディーに商品を展開したい場合に有効な選択肢です。
ただし、工場が複数のブランドに同じようなデザインを提案することもあるため、他社との差別化が難しくなる可能性もあります。
どちらが良い・悪いではなく、自社のリソース、ブランド戦略、商品開発のスピード感などを考慮し、目的に合った方式を選択することが、成功への近道となります。
アパレル業界におけるOEMの役割
ポイント
OEMはアパレル業界全体の多様性と品質向上を支え、ブランドが創造性を発揮するための基盤を提供していると言えます。
特に小ロット対応のOEMは、新規参入のハードルを下げ、業界の活性化にも貢献する存在です。
その背景を詳しく見ていきましょう。
アパレル業界において、自社で生産設備を持たない多くのブランドにとって、OEMは製品を世に送り出すための不可欠な仕組みです。
大手アパレルメーカーから、新進気鋭の小規模ブランド、あるいは個人デザイナーに至るまで、幅広い層がOEMを活用しています。
OEMが存在することで、ブランドは製品の企画、デザイン、マーケティングといったコア業務に集中できます。
製造に関する専門知識や設備投資、人材確保といった負担から解放されるため、より少ないリスクでブランド運営が可能となるのです。
また、OEM工場は様々なブランドの生産を手掛ける中で、多様な素材や縫製技術に関するノウハウを蓄積しています。
ブランド側はその専門性を活用することで、自社だけでは実現が難しい高品質な製品や、特殊な加工を施したアイテムを生み出すことも可能になるのです。
初心者向け:OEMによくある疑問と回答
アパレルOEMを初めて検討する初心者の方は、多くの疑問や不安を抱えていることでしょう。
ここでは、よくある疑問とその回答をまとめましたので、参考にしてください。
デザインの知識がなくても大丈夫?
回答
OEMは基本的にブランド側がデザインを提供するため、知識は必要です。
ただし、工場によっては、蓄積したノウハウから、デザインの相談に乗ってくれたり、簡単な修正提案をしてくれたりする場合もあります。
そのため、まずは、いくつかの工場へイメージを具体的に伝え、自社ブランドに適した製品アイデアを出してくれたメーカーをパートナーにしましょう。
最小ロット数はどれくらい?
回答
これは工場やアイテムによって大きく異なりますが、「小ロット対応」を謳う工場であれば、数十枚、場合によっては数枚から対応してくれるケースもあります。
これが小ロットOEMの最大の魅力です。
費用はどれくらいかかる?
回答
製品仕様やロット数、工場の単価設定によります。
見積もりを取る際は、生地代、縫製工賃、付属代、パターン代、サンプル作成費など、内訳をしっかり確認しましょう。
納期はどれくらいかかる?
回答
一般的に、サンプル作成から量産納品まで、数ヶ月かかることが多いです。
特に海外工場の場合は、輸送期間も考慮する必要があります。
小ロットの場合、比較的短納期で対応可能な場合もありますが、余裕を持ったスケジュールが肝心です。
どうやって工場を探せばいい?
回答
インターネット検索や、展示会、業界団体の紹介、マッチングプラットフォームなどを活用する方法があります。
工場の得意分野やロット数、品質などを比較検討することが重要です。
小ロットアパレルOEMが初心者におすすめな理由
小ロットアパレルOEMが初心者におすすめな理由は以下の3つです。
おすすめな理由
- 初期投資を抑えられる
- 在庫リスクを軽減できる
- 市場テストがしやすい
ここでは、これらのメリットとその背景を具体的に紹介します。
初期投資を抑えられる
小ロットでのアパレルOEMを選択する最大の理由は、初期投資の額を大幅に抑えることができる点です。
通常、アパレル業界では新しいコレクションを市場に投入する際、大量生産を行う必要がありますが、これには大きな資金が必要です。
例えば、新しいデザインのTシャツを市場に出す場合、大量生産では数千から数万単位の注文が必要になりますが、小ロット生産では数十から数百単位での注文が可能です。
これにより、トレンドに敏感なアパレル市場において、より柔軟に対応することが可能となり、結果的にはより少ない資金で新しいビジネス機会を探ることができるのです。
在庫リスクを軽減できる
小ロットでのアパレルOEM生産は、在庫リスクを大幅に軽減できるという理由からも、事業者に選ばれています。
大量生産と異なり、小ロット生産では必要最低限の商品のみを製造するため、過剰在庫の発生が抑えられます。
トレンドの変動が激しいファッション業界では、季節ごとに新しいデザインやスタイルが求められます。
そのため、大量に生産した在庫が売れ残るリスクは非常に高いです。
小ロット生産によって、これらのリスクを最小限に抑えつつ、市場のニーズに迅速に対応することが可能となります。
市場テストがしやすい
小ロット生産が選ばれる最後の理由は、新製品の市場テストを簡単に行える点です。
これにより、事業者は大規模な投資を行う前に、消費者の反応を試すことができ、商品の市場適合性を評価できます。
例えば、特定のデザインや色に対する消費者の反応をテストするために、小規模な生産を行い、特定のターゲット市場または地域で販売を試みるようなことが可能です。
また、異なるデザインや素材を使用して複数のバリエーションを生産し、どのバリエーションが最も良い反応を得られるかというテストもできます。
このように市場テストの結果を活用することで、市場投入における失敗のリスクを最小限に抑えられます。
