越境ECにおける課税仕入れと非課税条件
越境ECビジネスでは、国内取引とは異なる消費税の取り扱いが適用されます。
輸出取引や国外取引の特例により、課税仕入れが非課税扱いとなるケースがあり、事業者にとって税負担軽減の機会となります。
これらの制度を適切に活用するためには、要件や手続きを正確に理解することが重要です。

輸出取引で課税仕入れが非課税扱いとなるケース
ポイント
輸出取引における課税仕入れの非課税扱いは、輸出免税制度の一環として設けられています。
商品を海外に輸出する場合、その売上は消費税が免税となりますが、輸出のために行った課税仕入れについても特別な取り扱いが適用されます。
輸出免税適用の要件と対象は、下表を参考にしてください。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 証明書類の保存 | 輸出申告書、船荷証券、航空貨物運送状など |
| 直接関連性 | 輸出される商品に直接関連する課税仕入れ |
| 対象となる費用 | 梱包材料、輸送費、保険料、プラットフォーム手数料 |
| 対象外の費用 | 一般管理費的性格の強い支出 |
この制度が適用されるためには、まず輸出の事実を証明する書類の保存が必要です。
また、輸出される商品に直接関連する課税仕入れであることが要件となります。
越境ECプラットフォームを利用する場合、プラットフォーム手数料や決済手数料についても輸出に直接関連するものであれば対象となり得ます。
適切な書類整備により、輸出事業者の税負担軽減を図ることができます。
国外取引とみなされるサービス提供の仕組み
ポイント
デジタルサービスの提供など、無形のサービスについても国外取引として非課税扱いとなるケースがあります。
これは「国外取引」の概念に基づくもので、サービスの提供場所が国外であると判定される場合に適用されます。
国外取引の判定基準は以下の通りです。
- 役務提供者の住所地基準:サービス提供を受ける者が国外に住所を有する場合
- 特定役務の場所基準:不動産利用、運送、通信などは別途定められた基準
対象サービス例としては、以下のようなものが挙げられます。
- オンラインコンサルティング
- ソフトウェア開発・提供
- ウェブサイト制作
- デジタルコンテンツ販売
越境ECでデジタルコンテンツを販売する場合、購入者の所在地により課税・非課税の判定が行われます。
国外取引に該当する場合、売上は非課税となりますが、そのために行った課税仕入れについては仕入税額控除を受けることができ、結果として事業者の税負担が軽減されることになります。
輸入に関する少額輸入免税制度の活用ポイント
ポイント
少額輸入免税制度は、一定金額以下の輸入品について消費税等を免除する制度です。
課税価格が1万円以下の貨物については、原則として消費税及び地方消費税が免除されます。
この制度は越境ECで海外から商品を仕入れる事業者にとって、仕入コストの削減につながる重要な制度です。
少額輸入免税制度の概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 免税基準 | 課税価格1万円以下 |
| 課税価格の算定 | CIF: 商品価格+運送費+保険料+諸掛り |
| 注意事項 | 意図的な分割は認められない |
| 合算ルール | 同一差出人・同一名宛人・同日の貨物は合計する |
制度の適用を受けるためには、まず課税価格の計算方法を理解する必要があります。
商品を複数回に分けて輸入する場合、意図的に1万円以下となるよう分割することは認められていません。
また、同一差出人から同一名宛人に送付される貨物が同じ日に複数ある場合は、それらを合計して判定されます。
越境ECビジネスでは、この制度を活用することで小口の商品仕入れにおけるコスト削減が可能となりますが、制度の趣旨を踏まえた適切な利用が求められます。
尚、関税の計算方法に関しては、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参照ください。
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